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青木野枝 ふりそそぐものたち

《ふりそそぐもの/赤》2018年 鉄・ガラス 撮影:山本糾/courtesy: ANOMALY, Tokyo

 青木野枝は、大学在学中より一貫して鉄を素材に作品を制作してきた彫刻家です。その作品の佇まいは「鉄彫刻」という言葉が呼び起こすイメージとは対極にあるものです。工業用の鉄板を溶断し切り抜いた持ち運び可能なピースの一つ一つを、まるで空間に置いて行くように溶接し、つなぎ合わせることで生み出される作品。それは、まるで空中に描かれたドローイングのように展開し、見る者と空間を共有しつつ、その空間そのものの質と意味を鮮やかに変容させるのです。空気中に漂う水蒸気や微粒子など我々を取り巻く目に見えないものたちの存在、日常のうちに何気なく目にした物事から得た心の揺らぎ、自らの実感に根差した世界観。それらをモチーフに、それに見合う美しい風景を呼び覚ますこと。青木の作品は、そのための媒体として存在するもののようにも思えます。
 この展覧会は、九州の公立美術館においては初となる青木の個展です。近作および新作のインスタレーションによって構成される本展では、石鹸や石膏など近年青木が鉄とともに用いてきた素材に加え、色ガラスという新たな素材を使用した作品も公開されます。長崎市に深い関わりを持つ家系に生まれた青木。長崎という土地と作家としての青木とがはじめて出会う機会となるこの展覧会で新たに生まれる風景を、ぜひご覧ください。

会期2019年02月09日~2019年03月24日
開館時間10:00?20:00(最終入場19:30)
会場長崎県美術館 企画展示室
料金一般1,200円(1,000円)、大学生・70歳以上1,000円(800円)、高校生以下無料
・( )は前売・15名以上の団体割引料金。
・前売券の販売は12月22日(土)?2019年2月8日(金)。
・月曜日は前売料金で入場できます(休館日を除く)。対象日:2/11、18、3/4、18
・障害者手帳保持者及び介護者1名までは5割減額。
・本展のチケットでコレクション展にも入場できます。
問合先長崎県美術館 095-833-2110
休館日2月12日(火)、2月25日(月)、3月11日(月)
ホームページ http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/1050
ミュージアム情報リンク長崎県美術館