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有数のキリシタン史料を二度の動乱を潜り抜けた譜代大名の歴史舞台

島原城は、元和4年（1618年）より松倉豊後守重政によって築城が始まり、7年の歳月をかけて完成しました。かつて「森岳」と呼ばれていた高地を切り開き、石垣を積み、堀を掘ることで城郭の形が整えられました。

城の中心には、白壁の五層からなる天守閣（白亜五層天守閣）がそびえ、すべて塗籠（ぬりごめ）壁で仕上げられていました。周囲には大小50基の櫓（やぐら）が要所に配置され、さらに総延長2,233メートルにおよぶ矢挟間塀（やざまへい）が城を取り囲んでおり、その規模と美しさは壮麗を極めていました。

以来、島原城は約250年間にわたり、4家19代の居城として多くの歴史を刻みました。しかし、明治維新後の廃城令により、明治9年（1876年）にすべての建造物が解体され、以降90年間、天守閣のない城跡だけがその姿をとどめていました。

その後、昭和35年（1960年）に「西の櫓」が復元され、続いて昭和39年（1964年）に「天守閣」、昭和48年（1973年）に「巽の櫓」、昭和55年（1980年）には「丑寅の櫓」などが、矢挟間・鉄砲狭間を備えた長塀とともに復元されました。

現在では、復元された天守閣において、キリシタン関係の史料や藩政時代の郷土資料、民俗資料などが展示されています。

令和6年（2024年）には築城400年を迎え、翌令和7年（2025年）3月には、島原城跡が国の史跡に指定されました。